サーフ業界の求人情報を扱うSurfCareers.comが昨年末に発表した、シェイパーの年収に関する調査結果をご紹介します。
ちなみにSurfCareers.comは、サーフ業界に限定して「仕事を探している人」と「従業員を探している企業」をマッチングするサービスです。
国別に見ると、オーストラリア、米国、英国、モロッコなどの求人が上がってきます。
WSLもデザイナーの求人を出してますねー。
その時々でいろんなブランドが求人を出しているので、海外のサーフ業界への転職を狙っている人は自分のプロフィールを登録しておくといいと思います。
職業人としてのシェイパー像
年収を見る前に、まずは今回の回答者がどのような人たちだったのか、確認しておきましょう。
性別は100%男性だったので、グラフは割愛します。
どの国でシェイプしているか?
「どの国をベースに仕事をしているか?」という質問に対して、アメリカ、オーストラリアは想像どおりだったのですが、ポルトガルにシェイプの仕事が集まっているのは意外でした。
Googleで「portugal surfboard」を検索してみると、良さ気なサーフボードブランドが上がってきました。
ベーシックプライス€455とあったので、1€=128円で計算すると58,240円になります。割安感がありますね〜
年齢は?
次に年齢を見てみましょう。
やはり30代が多いみたいですね。全体の3割を占めます。
40代が2割程度で、50代以上も2割近くいます。
シェイパーは高齢になっても引退しないイメージがありますが、上の世代が分厚い年齢構成になっているんですね。
ビジネスの規模は?
8割がオーナーとしてシェイピングを行っています。
また会社の規模は5人以内で8割、1人も54%いるので、個人事業主として活動を続けている人が多そうです。
シェイプのスタイル
最近はシェイピングはシェイプマシンを使っているイメージが強いですが、ハンドシェイプのみで仕上げている人が半分近くいます。
これまでの属性情報を統合すると、シェイパーの多くが、
「30代前半くらいからシェイピングを覚え始め、自宅のガレージを改造したような小ぢんまりとした作業場を確保し、ハンドシェイプで黙々とボードを削って生計をたてている」
というイメージが浮かんできます。
平均年収は1千万円超え
年収は?
オーストラリアのシェイパーの平均年収は$83,750なので、$1=120円で計算すると、1,000万円を超えてきます。
「平均年収は一握りのトップシェイパーが押し上げている」と書いてありましたので、中央値(年収金額を低い順から並べた際に、真ん中に位置する年収金額)も合わせて見ていきましょう。
オーストラリアの中央値は$57,000(684万円)なので、平均と320万円程度差があり、トップシェイパーによる押し上げ効果が顕著です。オーストラリアについては、中央値を一般的なシェイパーの年収だと思った方が良さそうです。
中央値で見ると、オーストラリアとブラジルの年収が同額で約684万円。アメリカが$45,600(約547万円)、ポルトガルが$17,500(約210万円)と続きます。
WSLでも強さを見せる、オーストラリアとブラジル。高いサーフィン人気に支えられて、サーフボード消費も進み、それがシェイパーの年収につながっているんですね。一方ヨーロッパはまだまだこれからなのでしょう。
属性のイメージと重ね合わせると、一般的なオーストラリア・ブラジルのシェイパー像は、
「30代後半以降の男性で、自宅のガレージを改造したような小ぢんまりとした作業場を確保し、ハンドシェイプで黙々とボードを削って、年収で700万円近くを稼ぐ」
というイメージでしょうか。
今後の見通しは?
過去1年間の年収については「上がった」が約4割、今後1年間の見込みについては、「上がる」が半数を超えていますので、業界の先行きはポジティブなようです。
今回はSurfCareers.comのサーフボードシェイパーの年収調査を見てきました。
フルレポートが欲しい方は、こちらからリクエストするとPDFファイルを送ってくれます。
今回の調査、回答数が明示されていませんし、どこまで全体を反映している調査なのか分からないのですが、このような調査結果をこれまで見たことがなかったので、とても面白かったです。
毎年調査しているみたいなので、来年もチェックしてみたいと思います。
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